東京の浅草に、名店と言われるコーヒー屋「カフェ・バッハ」があります。
コーヒー業界に携わる人間なら一度は聞いたことがある名前で、ここで教えを受けて自身のロースター(自家焙煎店など)やコーヒー屋を持つようになったオーナー様も少なくありません。
そんなカフェバッハが監修している台形(扇形)ドリッパーが三洋産業の「スリーフォードリッパー」です。
サイズが変わっても湯抜けを一定に
スリーフォードリッパーの一番面白い点は、「サイズが変わると穴の数も変わる」ということです。
出典:https://cafec-jp.com/jp/products/dripper/
基本的に、ドリッパーのサイズが大きくなるということは、一度に使う粉の量も増えます。コーヒーを1杯だけ淹れるより、3杯、4杯と淹れるときのほうが一度に使う粉量は増えますよね?
そうなると、ドリッパー内のコーヒー粉の層もそれに比例して高くなっていきます。この粉の層をコーヒー業界では濾過(ろか)層と呼びます。この濾過層が高くなると、ドリップしたお湯が触れるコーヒー粉が増えるため、コーヒーは濃くなります。
そのため、1杯ではコーヒー粉を10g、2杯では20g、3杯では30g…と、単純に使う粉の量を倍にしていくと、濾過層も高くなるうえ、ドリップしたお湯の抜けが悪くなるのもあいまってコーヒーが濃くなりすぎることがあります。
コーヒー屋のレシピを見ると、抽出杯数が増えるほど、コーヒー粉の量を減らしていくレシピが多いのはそのためです。
出典:https://www.ucc.co.jp/enjoy/brew/drip.html
スリーフォードリッパーの面白いところは、ドリッパーのサイズごとに底面の穴の数を変えて、お湯の抜けを一定にし、ドリッパーのサイズが変わっても同じ淹れ方ができるようにしたところです。
スリーフォードリッパーの101(1~2人用)は底面が1つ穴ですが、102(3~5人用)は底面が2つ穴になっています。これは画期的で、いまだに他のメーカーでこのような工夫をしているメーカーは国内大手メーカーにありません。
ご自宅でおひとり分しか淹れない方にとっては、このこだわりは特に注目すべきところではないかもしれませんが、お店で1杯出しや3杯出しを使い分けるような店舗にとっては興味深い作りだと言えるでしょう。
味わいの特徴は?
さて、そんなスリーフォードリッパーの味わいの特徴は、「台形のなかでも比較的キレのいいドリッパー」であることです。
台形ドリッパーは一般的に、ドリップ中に底面にお湯がたまるため、ドリップが多少ぶれても安定感のある味わいが出るのですが、一方で後味がどうしてもまったりしてキレが悪くなりがちです。
一方で、スリーフォードリッパーは一般的な台形ドリッパーに比べてドリッパーの角度がきつく、また底面の穴の大きさも大きめに作られています。
画像左がスリーフォー、右がメリタ
↑左のスリーフォーのほうが、右のメリタよりも傾斜がきつい
これによって、底面にお湯がたまりがちな他の台形ドリッパーに比べて、後味のキレのいい味わいを生み出しているのです。飲んでみるとわかりますが、台形ドリッパーのなかでも円すい形に近いようなキレの良さをしています。
スリーフォーの101と同じ1つ穴の台形ドリッパーなら上記画像にのせたMelita(メリタ)の1×1ドリッパー、102と同じ2つ穴ならZERO JAPANドリッパーというドリッパーがそれぞれありますが、それらと比べても抽出の抜けが速い印象です。
「台形ドリッパーなのに台形らしくない」名店の味わいをぜひ楽しんでみてください。スリーフォードリッパーは弊社公式ネットショップでも店頭でも販売しております。
公式ネットショップ:cafec 深濾過層ドリッパー 101 (ホワイト) スリーフォードリッパー
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