『Fellow Ode Brew Grinder Gen2』 2022年のSCAJ(コーヒーの展示会)
今回のODE2、何がそんなにすごいのかというと、下記の通り。
- 家庭用グラインダーによくあるコニカル刃ではなくフラット刃
- 刃のサイズが64mmもあるため、挽くのが早い
- 静電気除去機能がついており、コーヒー粉で汚れづらい
- 静穏性、粉ノックなど他のグラインダーにはない各種便利機能
以上の4つです。
特に、私たちが注目しているのが、
一方で、私たちプロが使っている業務用グラインダーの多くが、
今までフラット刃使用の家庭用グラインダーもありましたが、どうしても挽き目のそろい方や使用感などが最新の家庭用ミル・グラインダーに比べると古い印象があり、特に最近トレンドの”細かい挽き目でのコーヒーの抽出”に耐えられるマシンとなると、業務用クラスしかなかったように思います。
つまり、ODE2は、家庭用グラインダーにもかかわらず、
フラット刃とコニカル刃の違い
フラット刃とコニカル刃の挽き方の違いについては以下の通り。
出典:https://www.melitta.co.jp/enjoyment/grinder.html
これらの味わいの違いについては感じ方やマシンの性能などもあるので一概には言えません。しかし、一般的には、フラット刃のほうが挽き目がそろいやすく、クリーンな味わいになりやすい一方で、コニカル刃のほうが多面体の挽き目になるためボディ感が出やすいと言われています。ここで重要なのは、「コニカル刃とフラット刃では使用感や味わいが違う!」ということです。
そこで今回は、ODE2を実際に購入し、
メーカーの公式スペック
※ネット上でODE2のレビューを調べたときに、
ここでは、
ブランド | FELLOW |
材質 | ステンレス,ABS樹脂,TPE |
電気規格 | 150W, 50-60hz, 100V |
サイズ | 239mm(横),105mm (幅),248.3mm(高さ) |
コード長さ | 約1m |
重さ | 4.6kg |
ホッパー容量 | 100g (深煎り豆の場合は、これより少ない量となります) |
挽き目に関しては31段階。
最近の電動ミルは家庭用でも多段階で挽き目を調整できるものが多
ちなみに、
実際に使ってみたレビュー
まず、高性能グラインダーに多くの方が求めているのが「粒度のそろい方」つまり、コーヒー粉の粒のそろい方でしょう。これが揃っていなければ、まず高性能グラインダーを買う必要がありません。
そして、この粒度のそろい方は家庭用電動グラインダーとしては間違いなくトップクラスです!実際の挽き目を細挽き、中挽き、中粗挽きで挽いてみたのでご確認ください。
基本的には、フラット刃のグラインダーは挽き目が粗くなるほど、粒がそろいづらくなりますが、それに関してはこれも同様。とはいえ、既存のグラインダーに比べればかなり挽き目が揃っているのは間違いありません。
味わいとしても、クリーンかつ、コーヒーの持つフレーバーをはっきり感じられます。おそらく、これはフラット刃だけが原因ではなく、64mmサイズの家庭用としては大きめな刃によって高速で挽けることで、摩擦熱がかかりづらいことも影響しているのだと思われます。
挽く速さとクオリティを考えると、家庭用グラインダーとしての販売でなければ、この価格なら小さな飲食店やサロンさんにもおすすめしたいぐらいです。
味わいを求めて、あるいは最近の高性能コニカル刃のミルやグラインダーと比べて使いたい方には間違いなくおすすめできると言えるでしょう。
静電気除去機能はかなり便利!
そして、ご家庭で使うとなると、気になるのが粉の飛び散りと静穏性。まず、粉の飛び散りに関しては、静電気除去機能があることもあり、かなり少ないです。今まで多くの家庭用グラインダーと業務用グラインダーを使ってきましたが、その中でもトップクラスだと言えます。
また、静電気除去に加えて、粉が落ちるところにノックがついており、粉残りが少ないのも魅力的です。
このノック部って、業務用グラインダーにはある意味標準装備のようについていたんですが、家庭用グラインダーで備えているものはちょっと思いつかない程度にはレアな機能。でも、これがあるとコーヒー粉をきちんと落とせるので、便利なんですよね。
あと、メーカーや他のレビューをしている方で、注目している方が少なかったんですが、個人的にはこの粉受けの”ヒレ”も地味に便利でした。
たぶん、電動グラインダーを使った方の多くが、粉受けで受けたコーヒー粉をそのままドリッパーに注ごうとして、粉がドリッパーの側面にバラバラと付いた記憶があると思います。(むしろ、ない人はいないはず…)
これが意外とクセモノで、ちょっとぐらいなら無視してドリップできるんですが、あまりにも側面に粉が付着していると、ドリッパーを振ったぐらいでは底に落ち切らないし、意外とドリップそのものに影響を与えてくるんですよね。
ですが、この受け缶は静電気除去機能があることで、粉残りも少ないうえ、ヒレがあることで、ドリッパーの中心に粉をきちんと積むことができます。単純に作業効率も上がるので、この受け缶はむしろFELLLOWが受け缶だけで販売してほしいぐらい良いアイディアだと感じました。
静音性も高く家庭向け
また、ODE2は静音性の高さもかなり優れています。
業務用グラインダーや家庭用グラインダーでフラット刃を使ったことがある人ならわかりますが、一般的にフラット刃はコニカル刃よりも高速回転をしており、音がうるさいのが難点です。
実際、「作業効率ではフラット刃のほうがいいかもしれないが、静かなお店なので静音性が高いコニカル刃のほうがいい」と言われたこともあります。ですが、その静音性に関しても、コニカル刃の電動グラインダーと比較してもODE2は優れたグラインダーだと言っていいでしょう。
注意事項と難点
ここまで、めちゃくちゃ褒めまくっているので、難点や注意点はないのか?と思われた方もいらっしゃるでしょう。公式サイトや、自身で使ってみてのデメリットもご紹介します。
- 業務利用は不可!
- 6分以上の連続使用は不可(
もし使用した場合は30分の休憩をはさむ必要がある) - 正規品以外の刃などを使った場合、保証対象外
- 正規代理店以外から購入した場合、
もしくは一時購入者でない場合は保証対象外 - エスプレッソには使えない
- 家庭用で6万超えは高い
一番の注目ポイントは、正規品取扱店以外から購入した場合、
つまり、ODEの2年保証をきちんと受けたい場合、
私たち名古屋のcoffee shop noteは正規品取り扱い店ですが、その他のショップから購入する場合はチェックが必要でしょう。
保証に対する考え方は人それぞれですが、
あとは、ここまで良いグラインダーだったからこそ、エスプレッソにも対応できたらよかったなというのは、本音なところです。
ただ、実際それが難しいだろうというのも分かってはいます。フラット刃はコニカル刃よりもモーターのパワーや電力が求められることも多く、家庭用規格で、最近の浅煎りコーヒー豆にも耐えられて、エスプレッソもできるとなると、もはや家庭用というより半業務用マシンのランクになってしまいます。
また、現状でも家庭用グラインダーで6万円超えは、やはり決して安いとは言えません。ぶっちゃけ、コーヒー業界以外の方からしたら、高いと言っていい金額です。
ただ、それでもあえて言うとしたら、このスペックを考えると、間違いなくODE GEN2 はコストパフォーマンスの良い家庭用グラインダーです。この価格帯の電動グラインダーで、同じような使用感が出せるものはちょっと思いつきません。
もし、どうしても購入するふんぎりがつかないという方は、弊社直営のコーヒー器具専門店coffee beans&tools noteにて使用感を確かめていただくこともできますので、その際はぜひ店頭へお越しください。きっと、気に入っていただけることと思います!
コメント